Lesson 1-1 腸1

腸が動かなくなってしまったら私達は死んでしまいます。腸が動かなければ、体に良い食品もサプリメントも体に摂りこむことは出来ません。体に溜まった老廃物を体外に排出することも出来ないのです。栄養・エネルギーが循環しなければ、肺などの臓器も活動できませんから、酸素を取り入れ二酸化炭素を排出したりといった生命活動も出来ません。生きる上で必要とされる食事と排泄、呼吸を始めとする必要不可欠な活動、これらに関わっているのが腸なのです。
そして、私達は腸の免疫に守られています。免疫によって食べ物と一緒に紛れ込む病原体やウイルスの侵入を未然に防いでくれています。人間だけでなく地球上のあらゆる生物が生きる上で、腸の無い命はありえません。腸のおかげで生きているのです。
この章では、それくらい大切な腸について詳しく学んでいきましょう。
 

小腸大腸

腸には小腸大腸の2種類があります。小腸といえば食べ物の吸収や免疫力、大腸といえば便を作って出す場所を指します。小腸と大腸は同じ腸ですが、働き、役割は全く違うのです。
小腸は、食べたものの消化と栄養素や水分の吸収行います。食べたものを吸収する際その食べ物を体に摂り込んで良いのかの判断もしています。太る、痩せるの鍵を握るのも小腸です。小腸の動きが良いと太りにくく、動きが鈍いとたくさん食べてなくても太ってしまったり、太りたくても太れない現象が起きます。免疫細胞により守る役割も担っています。ウイルスや悪い細菌、化学物質などの異物から体を守っているのです。アレルギー系の病気にも関与していると言われています。
大腸は、小腸で吸収されなかった水分の吸収と、便を作り、排出する役割を担っています。便の材料は体に不要となった老廃物です。便は蠕動運動(ぜんどううんどう)で肛門に向かって運ばれます。その際、大腸の腸壁から便の排出を手助けする粘液が分泌されるため、腸壁に便が何十年もこびり付くようなことはないようになっていますが、大腸には便を一時的に保管するS状結腸が存在しますので、便が数日間滞在することはあります。
 

自律神経の副交感神経

腸は便秘や下痢、ガスといった状態異常を起こします。これらの状態異常は、自律神経の副交感神経を優位にすることで、落ち着かせることが出来ます。自律神経体温維持や血液循環、呼吸、消化、吸収など、体内の環境を整えて生命を維持するために機能する神経です。交感神経と副交感神経の2種類の相反する神経から成り立っています。運動神経とは違い、自分の意思で動かすことは出来ません。
副交感神経は睡眠も含め体を休めるとき、リラックスするときに活発化します。腸は副交感神経が優位のときによく働きます。それに対して、交感神経は運動するときや緊張、興奮時に活発化します。交感神経が優位になると腸は本来の力が発揮できなくなります。どちらか一方が高い状態が続くとバランスが崩れ、健康や精神の不安定を引き起こす原因となります。交感神経と副交感神経はバランスを保った状態が理想なのです。
 

腸にとっていいこと、悪いこと

よく、身体にいい行動、悪い行動、と分類されるのと同様に、腸にとってもいいことと悪いことが存在します。具体的に例を挙げてみていきましょう。

腸にとって良いこと

  • スローライフ
  • 規則正しい生活
  • リラックス
  • 適度な運動
  • 質のよい睡眠
  • 自然体でいること
  • 何でも適度に行うこと
  • 笑い
  • 発酵食品全般
  • 野菜
  • オリゴ糖
  • ミネラル
  • 良質のオイル
  • 腹八分目

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逆に、腸に悪い、負担がかかるのは以下のような行動です。

腸にとって悪いこと

  • 過度なストレスやプレッシャー
  • 不規則な生活
  • 時間に追われるような感覚
  • 冷たいものを一気に大量に流し込まれること
  • 遅い時間の食事
  • 生食や火食に偏った調理法の食事
  • ストイックさ
  • ジャンクフードやインスタント食品
  • 時間の経過した揚げ物系
  • 保存料や添加物の多い食品
  • 肉や脂っこいもの
  • 精製された食品
  • 食べすぎ

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基本的にはいいことの逆の行動が腸にとって悪いことと言えます。
後々詳しく学んでいきますので、今はこういうことが影響を与えるんだな、という程度に覚えておきましょう。