Lesson 2-4 腸揉み実践

それでは、腸揉みの具体的な方法を見ていきましょう。

腸揉みの基本姿勢

腸揉みには、いくつかの基本パターンがあります。少しずつ、定期的に行っていくことが大事なので、まずは日頃時間を取りやすいところから1つずつやっていきましょう。

1.椅子やソファに深めに腰を掛け、背中を少し丸めたやや前かがみの姿勢。

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2. 椅子やソファに浅めに座り、背もたれにもたれかかる姿勢。

3. 起床時や就寝時などに、仰向けに寝て膝を立てた姿勢。

4. 風呂の湯船の中で、壁にもたれかかり膝を立てた姿勢。

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なお、妊娠中、産前産後、妊娠の可能性がある方は腸揉みを行うことは避けてください。そのほか腸・内臓関連の持病がある方は、必ずかかりつけの医師にご相談の上自己責任で行うようにしてください。

小腸揉みの基本

へその位置、腹の真ん中辺りを手の平全体で包み込むようなイメージで、両手を重ねて置きます。両手の平で腹を包み込んだ状態のまま、手の位置を変えずに手首を使って、必ず時計回りにゆっくり回転させます。腸の向きが大切なので、逆回りにやってしまうと逆効果になるので注意してください。
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10周程度を1セットとし、自分がもういいと思えるだけ自由な回数行いましょう。息を止めずに手に力を入れすぎないように注意しましょう。腹に痛みや苦しさ、圧迫感を感じず、不快感がなく回転できていれば問題ありません。
 

大腸揉みの基本

利き手を下にして、もう片方の手を下にした手の甲へ乗せ、人差し指、中指、薬指の3本の指を上下で重ね合わせます。指の重なった部分を使って下記の5ヶ所、呼吸に合わせて押し揉みます。

  1. 右骨盤の内側
  2. 右肋骨の下
  3. みぞおちの下
  4. 左肋骨の下
  5. 左骨盤の内側

腹
下痢気味の方は1~2ヶ所目、便秘がちの方は4~5ヶ所目あたりに痛みを感じる場合があり、腹が張って苦しい場合は5ヶ所全ての場所で痛みや押し返されるような感覚が出ることがあります。
何度か繰り返し腸を押し揉んでみて、痛みの場所や感じ方が変われば腸揉みが効いている証拠です。揉んで痛みが変わらないときは無理をしないようにし、優しく撫でるだけにします。
どこを押しても痛みがある場合は力が強すぎる可能性が高いので、心地良い強さに調整しましょう。強く押しても痛みが無い場所は、もう少し強く押しても構いません。
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このように、とてもシンプルにできるのが腸揉みの特徴です。
あまり難しく考えずに、だいたい合っているという感覚で定期的に行っていきましょう。
ほかにもシーンごとに使いやすい腸揉みの応用パターンもありますのでご紹介していきます。

スキマ時間や外でもできる深呼吸

呼吸を司る筋肉である横隔膜が上下に動くと、手を使わなくても腸を動かすことができます。これを利用して、深呼吸をするだけで腸揉みを行うことができます。電車に乗っているときや待ち合わせの時間など、スキマ時間に行うことが可能です。10秒程度かけて自分の腹に両手をあてて、大きく息を吐き出します。息を吐ききったら3~5秒を目安に鼻で息を吸いましょう。
ポイントはお腹に手を当てることで、腸に意識を向けて揉まれていることをイメージすることです。あとは普通の深呼吸なので、しっかり大きく息を吸って吐きましょう。

リラックス揉み

家でゴロンとリラックスしているとき、ダラダラとテレビを見ているときなどにもできる 腸揉み法です。「こんなにだらけてていいの?」と思うくらいが腸にはちょうどいいのです。
右側を下にして横になり、左足を曲げて膝を床につけます。左手で左骨盤の内側を掴むようにして、S状結腸を握るように揉みます。左下腹部を触ると硬かったり、鈍い痛みを感じる場合に効果的です。水分の摂取量が少ない人や便意があっても我慢してしまう人は、S状結腸に便が溜まって固くなり、出にくい傾向があるので、この腸揉みを行うことで改善に向かいます。