歩くだけで自然と腸運動が活発になるため、4本足で歩く動物は便秘や下痢になることは基本的にありません。2本足で歩く人間は、どうしても内臓が下がりやすく腸運動も活発ではないため、腸壁に脂肪が溜まってしまい肥満の原因となります。腸運動を活発にすることは肥満解消への近道です。
早歩き、縄跳び、乗馬などの体を上下させる運動は内臓を動かす良い運動になりますが、腸の調子がよくない人にとっては逆に負担がかかります。腸揉みと合わせて腸運動も行うことで、さらに効果的に毒素を排出することが出来ます。
腸運動の種類
金魚運動
金魚が泳ぐように体を動かす運動です。胃と腸がよく動き、背骨も真っ直ぐになります。朝、布団から出る前に行うとスッキリ起きられるだけでなく、便秘解消にも効果があります。
仰向けになり、両足をつけて真っ直ぐ伸ばします。首の後ろで手を組み、首を少し持ち上げましょう。そして、金魚が泳ぐように腰を左右に軽く振ります。この時かかとが離れないように気をつけ、足の指を出来るだけ体の方に反らしましょう。
仙骨刺激運動
仙骨はお尻の真ん中あたりにあり、背骨を一番下で支えています。仙骨を刺激すると泌尿器と生殖器の機能が向上するだけでなく、腸の活動を促し、丹田を強化する効果もあります。
仰向けになり、両膝を立てます。その姿勢で背中と足の裏は床に付けたまま尻を持ち上げ、少し強めに床に下ろしましょう。この動作を適当な速さで繰り返します。
丹田刺激運動
丹田はへそから拳ひとつほど下に位置する場所です。丹田をしっかり強化すれば、力も湧いて内臓も健康になってきます。この運動を続けることで、腸と下腹に力がみなぎるようになります。
仰向けになり、両膝を立てます。手は拳を握り、へその両横に置きましょう。頭と肩を出来るだけ持ち上げて、鼻から息を大きく吸い込みます。限界まで腹を膨らませて、太鼓を叩くように両手の拳で丹田を素早く数回叩きましょう。叩き終わったら頭と肩をゆっくり戻し、腹式呼吸をして息を整えます。この動作を10回ほど繰り返します。
腰回し運動
腰を回すことによって骨盤に柔軟性が出て、腸の動きも活発になります。朝起きてコップ1杯の白湯を飲んでからこの運動をすると、便通がよくなり便秘も解消することでしょう。
両足を肩幅に開いて立ち、両手を腰に当てます。腰を右回り、左回りにそれぞれ50回ほど出来るだけ大きく回しましょう。
スクワット
歩くことや重いものを持つことが減っている現代人は、下半身が弱くなっています。スクワットは下腹を効果的に刺激するだけでなく、下半身を強くします。
両足をつけて真っ直ぐ立ちます。その姿勢のまま、ゆっくりしゃがんだり立ったりの動きを20回ほど繰り返します。しゃがむ時、両膝は付けたままでかかとも地面から離さないようにしましょう。かかとが地面から離れてしまう人はそけい部が固まっている証拠です。最初は無理せずに、少しづつ下ろして徐々に慣らしていきましょう。
上体ひねり運動
左右に上体をひねると、腸運動にもなりますし、腰のくびれもできます。また、上半身と下半身のエネルギーの流れが良くなるので体全体に良い影響が出てきます。
太い木を抱くように腕を前に出します。腕を前に出したまま息を大きく吸い、吐くと同時に左回りに最大限上体をひねります。尻は動かさずに、腰、背中、首の順番で回るよう意識しましょう。息を吸いながら最初の姿勢に戻り、また吐くと同時に右回りに上体をひねります。この動きを30回ほど繰り返します。