Lesson 3-1 便秘とは

便秘

便秘、便秘、と気軽に呼んでいますが、そもそもこの便秘とはどういった状態なのでしょうか。腹の症状や感じ易さには個人差があるため、便秘を定義に当てはめることは難しいです。このため専門家の間でも定義が異なっているのが現状です。それらの定義は例えば以下のようなものがあります。
・日本内科学会での定義

3日以上排便が無い状態、または排便があっても残便感がある状態。

・日本消化器病学会での定義

排便困難や腹部膨満感など症状を伴う便通異状。

・2006年4月に発表された国際的診断基準であるRome3の定義

  • 排便回数が週3回未満。
  • 兎糞状便や硬便が排便時の25%以上。
  • 用指的排便が25%以上。
  • 怒責、残便感、閉塞感が25%以上。

以上の状態が半年以上前から少なくとも3ヶ月続く場合を慢性便秘と定義。

以上の定義から、日本は海外と比較すると医療機関の受診が簡単であることから、世界の定義ほど長い期間症状が見られなくとも便秘であると定義しているようです。以前より排便の数が減った、排便があっても出にくかったりスッキリしない、といった症状がある場合は便秘と判断して良いでしょう。

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このように便秘の定義が難しいため、自分が本当は便秘だとしても便秘だと思わない人がいます。こういった症状を隠れ便秘と呼んでいます。腹の張りを感じている人は隠れ便秘である可能性が非常に高いです。
胃が痛かったり、胸焼けがする、下痢をするなどの症状がある人は隠れ便秘である可能性があります。他にも便秘の自覚があっても病気だとは思ってない人も隠れ便秘と呼んで良いでしょう。
隠れ便秘の範囲は広く、普通に毎日排便があっても「便がすっきり出切った感覚がない」「コロコロと小さく硬い便が出て、排便時に力まないといけない」などが当てはまる場合は隠れ便秘と呼べる、など様々な兆候があります。
つまり、「出たか、出ないか」というような簡単な指標だけで便秘を判断してはいけないということです。
そもそも便秘は、便が出ないことそのものよりも、長く老廃物が体にあることによって引き起こされる様々な弊害が発生する警告のサインですから、「腸内環境は正常か」を見極めるひとつの指標として捉えることが大切と言えます。