腸内環境を良くする食品のキーワードとして、発酵食品が挙げられます。
前レッスンでご紹介したように、発酵食品には生きた酵素が含まれる他、善玉菌を増やすなど嬉しい効果がたくさんあります。
発酵食品
発酵食品といえば、納豆、漬物、ヨーグルト、チーズ、醤油、味噌などが挙げられます。善玉菌は腸のなかに生息する菌ですが、こういった食物のなかにもたくさん含まれており、これを摂取することでそのまま腸内の善玉菌を増やすことができると考えられています。
このように摂取することで直接体にいい作用をもたらす微生物・菌のことをプロバイオティクスと呼びます。乳酸菌やビフィズス菌が代表的です。
対照的に、それ自体は腸内の善玉菌のエサになり、結果として腸内環境の改善につながるものはプレバイオティクスと呼ばれます。オリゴ糖がこちらの分類の代表格です。
ヨーグルトの種類と体質
善玉菌を増やす発酵食品の代表としてまず挙げられるのがヨーグルトでしょう。
日本でも様々なメーカーから「腸にいい」「◯◯を予防する」というような効果効能が謳われている商品が出ていますね。ですが、数が多すぎてどれを選んだらいいかわからないという人も多いはず。
ヨーグルトの選び方や摂取の仕方のポイントを見ていきましょう。
体に合うヨーグルトはひとそれぞれ
まず第一に、腸内の菌の構成は人によって千差万別だということを頭に入れておく必要があります。そして、ヨーグルトによって含まれる善玉菌の種類は異なります。
腸内フローラは絶妙なバランスで健康を保っていますから、Aさんとってはぴったりだったヨーグルト(=善玉菌)をBさんが食べたら、バランスが崩れて体調が悪くなった、ということもあり得るのです。
誰もにとって最高のヨーグルトはありません。ですから、2週間程度実際に自分で食べてみて、そのヨーグルトが体に合うのか、お腹の調子が良くなるのかを確かめていき、合わないと思ったら変えてみることが大切です。
食べるペースは毎日が望ましい
善玉菌は、食べて蓄積しておくことはできません。過剰に摂取したとしても、便が排出される際に一緒に出てきてしまいます。そのため、一度にたくさんヨーグルトをとっても効果は薄く、定期的にコツコツ食べることのほうが善玉菌が多い状態をキープするのに役立つということです。
ただし、食べ過ぎには注意が必要です。ヨーグルトの場合は脂肪分や、その他の発酵食品の場合は塩分も多く含まれます。善玉菌を増やすためといって毎日過剰に摂取して、他の成分で体調を崩しては元も子もありません。
ちなみに、腸内細菌の数は1000兆個以上と言われるのに対し、ヨーグルト100gには10~100億個程度の善玉菌しか含まれていません。全体の割合から見れば少しの量なのです。腸内の理想の割合である「善玉菌2割」の2割を全てヨーグルトで賄おうと思ったら、ヨーグルトを2000kg(!)以上取らなければいけないことになります。この少しの比率を増やしていくことが腸にとってはいいことになりますが、「ヨーグルトや発酵食品だけで善玉菌を増やそう」と考えても無理があることがわかりますね。
毎日適量を少しづつ、の心がけが大切です。