腸にとって嬉しい食習慣へと改善するための基本を学んできました。この章の最後に、その他の細かいポイントなどを学んでいきましょう。
食習慣の注意点
基本の少食・空腹時に食べる、酵素を意識した食事をする、食物繊維や発酵食品を摂る、の他にも気をつけるべきポイントはいくつかあります。
食べる時のストレスを減らす
腸は繊細な器官なので、精神の影響も大きく受けます。緊張しているときや劣悪な環境にいるとき、嫌いな人と一緒にいるときなどは、腸の活動能力が落ち、消化に支障をきたすことがあります。できるだけストレスを減らして食事をしてあげることは、あなた自身だけでなく腸にも優しいことになります。
食事を楽しむ
食べているご飯の美味しさが、気分や誰といるかによって変わることもありますよね。「おいしい」「楽しい」と感じること自体が幸せホルモンが出ている状態で、上記のストレス軽減にもつながります。外的な要因でストレスを減らすだけでなく、楽しんで食事をしよう、という心の持ちようも大切です。
ここまでで学んだことを意識しすぎてガチガチになり、「これを食べたら腸に良くないから絶対ダメ!」というようにプレッシャーや罪悪感を感じながら食べることは何一ついいことはありません。リラックスして楽しんで、腸にも食事を楽しませてあげましょう。
寝る前の食事を避ける
寝る前に食べると太る、という話は腸内の働きから来ています。寝る前の食事は交感神経を興奮させてしまい睡眠を阻害するばかりでなく、睡眠中に便を運んでくれるホルモンが満腹時には分泌が鈍ってしまうなどの影響があります。
どうしても食べたくなってしまったときは、スナック菓子などではなくここまで挙げた腸に優しい食事を軽く摂るようにしましょう。
徐々に腸というものの全体像が見え、扱い方がわかってきたのではないでしょうか。
食事は腸にとって一番大きな影響を与えるものですから、注意深く食品を選びながら、楽しんで生活していくことが大切です。
嬉しい食品番外編:オリーブオイル
腸内環境とは少し逸れますが、そもそも腸をよくしたい一つの大きな理由としてダイエットが挙げられるでしょう。
油はダイエットの敵!と思われがちですが、人間は油を一切取らずに生きていくことはできません。髪の毛や肌のツヤは、油分のおかげで生まれていると言えます。
どんな油を摂るべきかということに近年注目が集まっています。同じ油でも、摂る油の質によって大きく効果が変わるということです。
そんな中一押しの油はやはりオリーブオイルです。非常に風味が高く美味しいのはもちろん、悪玉コレステロールを減らし善玉コレステロールを増やす効果や、ポリフェノールやビタミンEなどの抗酸化作用を持つ物質も豊富に含んでおり、美に効く油と言えばオリーブオイルというくらい非常に嬉しい油です。オリーブオイルに含まれるオレイン酸は腸を刺激して排便を促してくれるとも言われています。
同じオリーブオイルという括りの中にもグレードがあり、中でも一番品質が高いのが「エキストラバージン・オリーブオイル」です。生のオリーブの実を絞ったものだけを使った果実100%のオイルだけがこの名前を名乗ることができます。
通常の精製されたオイルを含むオリーブオイルよりも値は張りますが、健康と美を意識したいのならできるだけエキストラバージンのオリーブオイルを使うのがいいでしょう。
オリーブオイル以外では、ナッツの油も効果的です。話題のココナッツオイルなども含め、こういったオイルを積極的に使用していきましょう。
気をつけたいのはいくらオイルが健康にいいからといって、使用量を大きく増やすことはおすすめできない点です。普段使っている油を少しづつオリーブオイルに置き換えるなど、無理のない範囲で少しづつ、でも積極的に健康効果の高いオイルを使っていきましょう。