Lesson 7-2 便秘薬

腸に興味がある方は、すでになんらかの腸の不調を抱えている方も多いでしょう。
便秘でどうしても辛い、というときに便秘薬を使用したこともあるのではないでしょうか。
生活習慣として、便秘薬について詳しくみていきましょう。
 

便秘薬の種類

一口に便秘薬といっても、効果により様々な分類があります。その人によって合う合わないや、そもそもの目的とした効果が異なりますので、「テレビCMでやっていたから」「なんとなく」というようないい加減な理由で便秘薬を服用しつづけると、一向に改善しない状態になることがありますので注意が必要です。

刺激性下剤

一番多く世に出回っている種類で、腸に強制的に刺激を与えることで腸の動きを促進し、便を出させようとするタイプの薬です。大黄、センナ、アロエ末などの成分がよく含まれます。
特に、以前便秘の種類で解説したけいれん性便秘に該当する人は、刺激が逆効果となって便秘を悪化させてしまう可能性が高いため、服用を避けるようにしましょう。
また、効果がある人にとっては使えばすぐにとりあえず排便できることから、薬に依存してしまいこの便秘薬がないと排便できない、という状態に陥りがちです。
 
さらに良くないのは、強制的に排便させるため本来必要だった善玉菌までも一緒に排出してしまい、腸内環境のバランスが崩れやすくなるという点です。
ですから、とりあえず出ればいいだろう、という感覚で薬に頼って排便していると腸内環境がますます悪化し、普通には排便できなくなるという悪循環に陥るのです。
また、多くの刺激を与える類の薬がそうであるように、刺激には徐々に慣れるためだんだん同じ量では効果が薄れ、服用量が増えていきます。服用量が増えるほどやめるときに辛くなりますので、「どうしても今だけ出さなければ」というとき以外は使用せず、腸内環境を整えることを優先するべきです。
 

塩類下剤

酸化マグネシウムや硫酸マグネシウムなどを含む下剤で、刺激で排便を促すのではなく、便をやわらかくして排便しやすくするタイプの下剤です。
刺激性下剤と異なり中毒状態になりにくいので、比較的安心して使用できます。
とはいえ、腎臓に疾患があるなど血中マグネシウム濃度を気にしないといけない方の場合は注意が必要ですので、医師の判断の元使用するのがベストです。
 

座薬

肛門から直接入れ、直腸を直接刺激して排便を促進したりするタイプの薬です。直腸内まで便が来たのに便意が来ずに排便ができない、直腸性便秘の人には効果的です。
腸全体に働きかけたり便をやわらかくするわけではなく、便意を催しやすくするだけなので、直腸性便秘以外の場合にはあまり効果は見込めません。
 
このように、便秘薬といっても様々な種類があります。
基本的に、腸内環境が正常であれば便秘薬に頼る必要性はありません。また、薬で出している状態は不健全で、さらに腸内環境を悪化させ様々な弊害が発生します。
できるだけ便秘薬は使わないことを目指し、どうしても使用する場合はまず自分の便秘のタイプが何であるかをよく理解した上で、適切な薬を使用するようにしましょう。