腸の働きが鈍くなる理由は色々ありますが、冷えもそのうちの1つです。体温が低い状態では、腸内細菌の動きも、腸の蠕動運動も弱いままなので、食物繊維やオリゴ糖や乳酸菌を食べても思ったような効果はでてきません。
冷えや低体温の自覚があるなら、まずはそちらを先に改善しましょう。人間の細胞や組織、臓器というのは36~38度のときに一番活性化します。便秘の症状があり、シャワーだけで済ませる人は、入浴の習慣を改めることが腸内環境の改善に効果的です。
腸に効く入浴法
それまでシャワーだけだった人は、単に入浴の習慣を作るだけでかなり腸の状態は良くなるかと思いますが、これもウォーキングなどと同じくより効果的な入浴法があります。
ここでは2種類の入浴法をご紹介します。
半身浴
半身浴は38~39度くらいの湯温でおへそあたりまで浸かる、文字通り体の半分だけ浸かる入浴法です。室温が低い場合は体が冷えがちになるので、肩周りに乾いたタオルをかけて保温しながら浸かって下さい。
この状態で20~30分ほど入ると、副交感神経が優位になり、腸の動きも良くなります。
半身浴は全身浴と違い心臓などの内臓に負担がかかりにくいので、じっくり入れることがポイントです。これくらいの時間入浴することでじんわり汗をかくことができ、デトックス効果も期待できます。
なお、半身浴の前後には水分を補給することを忘れずにしましょう。この際冷たい飲み物では、せっかく温めた腸が冷えてしまいますので、常温の水分を補給してください。
ヒートショックプロテイン
ヒートショックプロテイン入浴法は42度前後のやや熱めの湯温で10分ほど浸かる入浴法です。
ヒートショックプロテインとは熱ショックたんぱく質のことで、免疫力を高めたり、細胞の修復をしてくれたり、細胞の老廃物の分解を行うときに活躍します。ヒートショックプロテインは加齢とともに減少しますが、加圧や低酸素などの状況を作ると増やすことができます。ヒートショックプロテインが増えれば、細胞の修復力が高まり、免疫力が上がって病気や傷が治り易かったり、疲れにくくなったりと健康な体に近づけるのです。
ヒートショックプロテイン量は入浴2日後くらいに増え数日間効果が持続しますので、週に2回入ることで増加した状態が継続させることが出来ます。逆に毎日熱いお風呂に入ってしまうと体が慣れてしまいヒートショックプロテインが作られにくくなりますので、過度に刺激を与えすぎないことも大切です。少し刺激の強い方法ではあるので、高齢者や虚弱体質、心臓に疾患のある方は無理のない範囲で行いましょう。
なおこちらの入浴法でも、コップ1~2杯程度の常温の水分を入浴前に飲みましょう。体内のミネラル分が汗と一緒に出てしまうので塩をコップ1杯に対し1つまみ程度入れるのもオススメです。
2種類の入浴法どちらが優れているということはありません。どちらも体が温まり、水圧によるマッサージ効果により腸の動きが良くなります。自分に合った入浴法で腸をケアしてあげてください。