Lesson 7-5 生活習慣とストレス

この章では、様々な生活習慣と腸との関係を見てきました。
ですが、腸の全体像がつかめてきた方はお気づきかもしれませんが、排便、運動、入浴….といった生活習慣の中には全て共通するキーワードがあります。
それは、「リラックス」「ストレス解消」という点です。
 

生活習慣とストレス

いくら運動や健康的な食事、排便が腸にいいからといって、義務のように実行したり、はたまたできなかったときに「どうして自分はできなかったのだろう….自分はダメだ」というように自分を責めてはいけません。
こういったストレスそのものが、腸の働きを鈍くさせる大きな要因だからです。
排便や適度な運動や入浴、おいしい食事は、それそのものがストレス発散の気持ちいい行動のはずです。ですから、腸のことを考えるならそれらを自然に、楽しんで行うことが一番なのです。
ハッピーホルモンのセロトニンは、トリプトファンから作られるというお話をしましたが、トリプトファンは適切な食事、そして腸が健康に働いてそれらの栄養をきちんと吸収して初めて増えていきます。そのため、腸が健康になれば栄養素を吸収しやすいのでますますハッピーになり、ハッピーになるから腸もよりよく動いてくれる….といういい循環に入ることができます。
ここまで学んできたことを日々意識するあまり、ストレスを感じるようになると腸の働きが悪くなり、ますます幸福感を感じにくくなって、結果「カップラーメンとビールとタバコ」のような無茶なストレス発散法をしてしまう…という悪循環になってしまう可能性があります。
逆に、腸にとってストレスな悪い習慣(入浴しないで体を冷やす、運動をしない…など)が、悪循環のスタートになっているかもしれません。腸の環境を考えるときは、1つずつでも悪循環のループをいい循環に変えていくという姿勢を持ちましょう。自分と腸にとって、リラックスできるのは何か?という視点で生活習慣を見ていくことがとても大切です。
腸は気持ち良くリラックスできているかな?ストレスを感じていないかな?というように、腸をいたわってあげる優しさが、結果あなた自身への優しさにもつながるということなのです。